風営法違反で逮捕された場合

風営法違反で摘発後の具体的な流れ。

風営法違反の無許可営業、客引き

昨今警察による一斉が各都市で行われ、また都議会選挙などとにかくビッグイベントする前には警視庁による夜の街浄化作戦が定期的に繫華街で行われており、時間外営業や無許可営業、特に近年ぼったくり条例も制定され客引き摘発にも力を入れています。

 

無許可営業で店長が逮捕される時や客引きによる現行犯逮捕など、逮捕後の具体的な身柄拘束から留置所までの流れに関して記載します。

無許可営業(風営法49条1号)

2025年風営法改正によって罰則が強化され

個人に対する罰則は5年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、法人の場合は3億円以下の罰金が科されることになります。

名義貸し(風営法49条3号)

2年以下の懲役

もしくは200万円以下の罰金又はこの併科

18歳未満を接待に従事させる行為(風営法22条1項第3号)

1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはこの両方が科されます。

18歳未満のものを客として立ち入らせる行為も同じく。

客引き(風営法22条)

懲役6か月もしくは100万円以下の罰金に処せられます。(併科あり)

立ちふさがり、付きまとう行為も含む

現行犯逮捕

風営法違反で逮捕

客引き摘発の場合、二名以上の捜査員が囮になり客引き出没エリアで店を探してる一般人を装って客引きに声をかけさせ、そのまま現行犯逮捕というのが一般的な流れです。

 

 無許可営業の場合は捜査員が複数人なだれ込みカメラで店内の様子を撮影し、店長や責任者を拘束しそのまま署へ連行します。

 

捜査員に手帳を見せられ客引き条例違反により現行犯逮捕すると告げられその場で手錠と腰縄で拘束される事になります、そして捜査員にベルト部分を持たれたまま警察車両のバン、又はタクシーに乗せられ警察署へ連行されます。

取り調べ

風営法違反での取り調べ

署に着いたら取り調べが始まり客引き行為の調書を作成します。

逮捕されるまでの当日の行動や客引きはいつからやっているか、月の収入、どこから声を掛けてどこまで付きまとい,、勧誘をしたのかなど事細かく聴取されます。

 

無許可営業の場合はお店を始めたきっかけや売り上げ、接待営業を知りながらなぜやったのか、本当の経営者がいるのかなど疑義について長時間調べられます。

 

その後は別室での指紋の採取、写真撮影をしてその後サイフ、スマホ等所持品の記録を刑事さんととって署に保管されます。

 

これまで3時間から4時間に及ぶ手続きを経て重く厳重な扉ある留置所へ行きます、部屋に行く前には衣類を脱いでパンツの中まで危ないものや私物を隠し持っていないかチェックされ、体重と身長を測って警察署が貸し出す衣類【留ジャージ】を着て留置へ案内されます。

勾留質問、勾留請求

風営法違反で勾留質問

逮捕⇒取り調べ⇒留置の翌日に他の留置人と一緒にバスで検察庁へ行き勾留質問をします。

 

勾留質問とはまず検察官が裁判官に対して被疑者の勾留を請求します。これを【勾留請求】といいますが、検察官の勾留請求を受けて、請求に理由があるか否かを判断するために、実施されます。

 

具体的には勾留請求を受けた裁判官が今回逮捕された件について被疑者に記録を読み上げ質問をし『何か言いたいことは?』等と質問がされ、特になければ終了です。

 

 

裁判官が勾留請求を許可した場合は、被疑者は、10日、最長20日間留置されることになります。

 

時間は10分程ですが東京検察庁の場合は他の被疑者も多いので待ち時間が数時間ありその間に昼食も食べます。【コッペパン、チーズ、フルーツジュースなどが一般的】

その際手錠は片方だけ外されます。

検事調べ

風営法違反で検事調べ

10日拘留が認められて留置所へ戻ると次は被疑者を起訴または不起訴とするか数回にわたり検事による取り調べを行います、これがいわゆる【検事調べ】になります。

 

留置場から検察庁への護送バスは午前9時頃に出発し他の警察署を回り同日に検事調べのある被疑者を次々乗せて向かいます。

 

検察庁に着くと他の被疑者と繋がった腰縄と手錠をされたまま地下同行室へむかい、1グループ約10人に分けられ牢屋のなかで硬い木の長椅子に座りながら呼び出されるのをひたすら待ちます。

 

調べの人数が多い日は合計7時間以上硬い椅子の上で待つときもあり私語は厳禁、他の被疑者とおしゃべりが見つかると強く注意をうけ繰り返すと他の牢へ移動させられます。

 

検事に呼び出されると牢から出て腰縄を持たれた状態で検事の所まで行き取り調べを行います。

内容は最初に警察署の取り調べで作った供述調書と一緒なのですが検察が質問等して独自に調書を作成します。事件内容を認めていて『間違いありません』となれば10分程で終わります。

 

自分の調べが終わった後も地下同行室に戻り全員の調べが終わるのを待って護送バスで署まで送られるのですが、検事調べの日は丸1日を検察庁や裁判所で拘束されることになります。

 

警察署での取り調べも同時に行われますが検事調べは10日拘留だと2回以上はいく事になるでしょう、窮屈な場所での長時間による拘束で心身ともかなりヘトヘトになります。

留置所での生活

風営法違反で留置所

拘留請求が認められれば10日間、さらに調べが必要となればさらに10日間、計20日間の留置所生活が始まります。(逮捕による留置最大期間3日+勾留期間20日)

 

〇起床時間、朝7:00

布団を畳んでみんなで室内の掃除、そして歯磨き顔洗いの時間です。

 

〇朝食8:00  

 

〇昼食12:00

担当さんに伝えて他のメニュー【自弁】を頼むことができます。カレーやトンカツなど、料金はだいたい500円~600円、昼食中はラジオや音楽が流され食後はその日の新聞を読むこともできます。

 

〇運動の時間13:00

警察署の少し広いベランダのような場所で太陽を浴びながら爪切り、髭剃りなど行います。

少し前は運動の時間に喫煙者はタバコ2本まで渡され吸うことができました。

 

〇夕食18:00

 

〇就寝21:00

 

朝ごはんから昼ご飯までのスパンが短く夜はかなりお腹が空きます。

空いてる時間は取り調べがなければ管本といって3冊まで留置所備え付けの本棚から選んで本を読めます。

 

時間はたっぷりあるので字数の多いものや、分厚く読み応えのある本がいいでしょう

また友達や親戚に外から本を入れてもらう事も可能です。

 

お風呂は4日に1回、夏場は3日に1回ですが各警察署によってルールは多少異なります。

 

トイレは共同で鍵は付いてなく腰までの高さの壁があり半個室のような形です。

おしりを拭く紙はザラザラの古紙で一枚一枚広げて使用します。

略式手続き、即決裁判

風営法違反で略式起訴

一般的には10日間の間に警察取り調べ数回、検事調べ2度を行い最後に検察官に呼ばれ事案によっては略式手続を受けることになります。検察官から異議がないかどうかの確認、概要説明をされて即決裁判手続を行い罰金刑を言い渡す裁判手続に入ります。

 

 

即決裁判とは争いがなく比較的軽い事件が対象で検察官が被疑者を簡易裁判所に起訴すると同時に、裁判官に略式命令にしてほしいと請求し原則的に即日行われるものです、書面審理で命令を発して100万円以下の罰金または科料の刑罰を被告人に課す裁判手続になります。

 

審理にかかる時間は30分程度で簡易裁判所で略式命令書を渡されようやく拘束を解かれます。

最後に窓口に行き罰金30万から100万を支払って終了です。

 

この略式起訴とは別に行政罰としてお店への営業停止、罰金も併合される事もあります、また実態が悪質性の高いものや過去に同事案での逮捕があると罰金では終わらずに検察が起訴、実刑判決が下される事もあります。