2025年11月28日、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(いわゆる風営法)の欠格事由に関する規定が大幅に拡大されました。
特に法人グループや関係会社が関係する許可申請では、これまでと異なる審査・判断が行われるようになっています。
本記事では、改正ポイントをわかりやすく整理し、事業者が申請前に知っておくべき注意点と対策を解説します。
追加された欠格事由
① 親会社、子会社、兄弟会社(密接関係法人)などが過去5年以内に許可を取り消された法人
② 警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者
③ 暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響を力を有する者
②と③は自身の悪意、また反社との取引等で欠格事由に該当してしまう可能性があるが①については申請者本人も気付かずに該当してしまうケースもあるので(密接関係法人)詳しく解説します。
風営法の密接関係法人の人的欠格事由とは?
風営法では、風俗営業や特定遊興飲食店営業の許可申請者が欠格事由(許可できない条件)に該当しないことが必須要件です。
欠格事由は従来から個人や法人の代表者、役員に対して認められていましたが、2025年11月28日改正で範囲が広がりました。
① 「密接な関係を有する法人」も欠格事由の対象に
改正法では、申請者の法人だけでなく「密接に関係する別法人」も欠格事由の対象になる規定が導入されました。
これは、例えば次のようなケースを想定した規制です
・意思決定など、支配力のある親会社
・親会社に支配されている子会社(兄弟会社)
・許可を受けようとしている申請法人の子会社
これらの法人が過去に風俗営業の許可を取り消されていて、取消後5年未満の場合は、申請者自身に欠格事由がなくても不許可となります。
② 申請書類の添付追加が必須に
11月28日の改正施行に合わせて、以下のような書類の提出が新たに求められるようになりました
・「申請者が欠格事由に該当しないこと」の誓約書
・密接関係にある法人の名称・住所・代表者を記載した書面
・法人の場合は株主名簿など関係を示す資料(持ち分会社であれば定款)
これらの書類は、申請者が欠格事由の対象でないことだけでなく関係法人についても調査の対象として明示させる目的があります。
密室な関係を有する法人(新規則第6条の3関係)
・申請者が株式会社である場合にその議決権の過半数を所有している者等
・申請者が持分会社である場合にその資本金の二分の一を超える額を出資している者等
・出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより、申請者の事業の方針の決定に関して、前二号に掲げる者と同等以上の支配的な影響力を有すると認められる者等
欠格事由拡大への申請者側の対策について
① 関連法人の許可取消歴を事前確認
申請前に関連法人の許可歴を確認し、取消から5年以上経過しているかどうかをチェックしましょう。
② 株主名簿・関係図の整理と添付書類整備
申請書類には関連法人の情報も必要です。
誰がどのような関係かを明確に示す資料づくりが審査通過のポイントになります。
③ 欠格事由に該当する可能性がある場合は専門家相談
密接関係にある法人の定義や判断基準は複雑です。
誤った申告・審査対応は不許可・取消につながる為、行政書士や法律専門家への早期相談がおすすめです。
法改正で密接法人等の欠格事由が広がった理由
2025年11月28日の風営法改正では欠格事由の対象を法人単体ではなく、関連法人まで拡大するルールが導入されました。
これはホストクラブやキャバクラなど、グループ運営が多い風俗営業業界にとって申請戦略やリスク管理の見直しが必要となる大きな改正です。
申請者だけでなく密接関係法人の該当するか、また該当した場合過去の履歴を明確にし、必要書類を整備することが許可取得の鍵となります。
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