風営法の用途地域とは?許可が下りるエリアの調べ方|風営法専門行政書士が解説

風営法の用途地域について

風俗営業許可・深夜営業届出を検討する際、

最初に必ず確認すべきポイントが 「用途地域」 です。

 

用途地域の確認を誤ると、

「契約後に許可が取れないことが判明する」

という最悪の事態につながります。

 

本記事では、風営法専門行政書士が

用途地域の基本・許可が下りるエリア・調べ方 を分かりやすく解説します。

用途地域とは?風営法で最も重要な場所的要件

用途地域とは、都市計画法に基づき

街のエリアごとに建物用途の制限を定めた区分のことです。

 

住居系・商業系・工業系など13種類に分かれています。

 

深夜酒類提供は深夜営業、そして風俗営業は接待行為を伴うため

近隣の住居住人の環境を守る観点から許可が出る地域が限定されています。

 

そのため、用途地域を確認せずに店舗物件契約すると、

後から許可不可となる事態が発生する事もあります。

風俗営業が許可される用途地域

風営法上、許可が通おるのは下記のエリアです。

 

✔ 商業地域(最も許可が取りやすい)

キャバクラ・ガールズバーなど、風俗営業が可能性が高く保全施設からの距離制限が緩和されている。

 

✔ 近隣商業地域

小規模飲食店の多いエリアで、許可されるケースが多い。保全施設との距離は100mとなる

 

✔ 工業地域(一部業態のみ可能)

✔準工業地域

✔工業専用地域

 

自治体により判断が分かれやすいが、風俗営業の制限はないが建築基準法でひっかかる可能性がでてきます。

風俗営業が許可されない用途地域(原則不可)

許可不可な用途地域

以下の住居系用途地域では、

原則として風俗営業許可は下りません。

 

✔第一種低層住居専用地域

✔第二種低層住居専用地域

✔第一種中高層住居専用地域

✔第二種中高層住居専用地域

✔第一種住居地域

✔第二種住居地域

✔準住居地域

住居系は静穏性の保護が優先されるため、

キャバクラ・クラブ・風俗営業許可は不可能です。

用途地域以外にも必要な保全施設からの「距離制限」チェック

用途地域が適合していても、

以下の「保全対象施設」からお店が一定距離を確保できないと許可が下りません。

 

学校

 

保育園・幼稚園

 

図書館

 

病院

 

児童福祉施設

自治体により制限距離は異なりますが、(埼玉は商業地域70m)

一般的には 概ね50〜100m以内に上記施設があれば風俗営業不可となります。

保全施設の詳細はコチラをご覧ください。風俗営業許可(キャバクラ)1号

用途地域の調べ方|誰でもできる簡単チェック方法

風俗営業許可を検討する際は、

以下の手順で用途地域を調べることができます。

 

 

① 市区町村の「都市計画情報マップ」を見る

「○○市 都市計画図」「用途地域 マップ」などで検索すると、

役所の公式地図で確認できます。

東京都都市整備局提供

https://www2.wagmap.jp/tokyo_tokeizu/Portal

 

 

② Googleマップで住所を確認し、都市計画図に照らし合わせる

場所を特定して都市計画図の色分けと照合します。

 

 

③ 不動産会社に用途地域を確認する

ただし、不動産会社の説明が誤っているケースもあり、

行政書士が再調査することを推奨します。

 

 

④ 行政書士に調査依頼する(最も確実)

用途地域・距離制限・周辺状況を一括で調査し、

「この物件で許可が取れるか」を総合判定します。

許可を取るための実務ポイント(行政書士の視点)

風営法の用途地域について

物件契約前に必ず不動産屋に用途地域+距離制限の両方を確認する。

 

同ビル内の他店舗構成(接待店の有無、最近許可をとった店があるか)を一応確認する。

 

2室以上客室がある場合注意が必要、客室の面積が一部屋16.5㎡以上必要など図面上の細かい点で不許可になることもある。

 

居抜き物件でない場合、設備基準にひっかかる可能性が上がります。内装工事をする場合椅子、仕切り壁等の高さを95cm以下に抑える、吊り下げ式パーテーションなど店内を遮断する構造にしない。

 

事前相談は「警察署 → 行政書士 → 物件契約」の順が理想的であるが

許可が取れるかどうかは用途地域や保全施設の距離制限だけでない

店内レイアウト・防音・照明・入口の場所など細部まで審査されるため、初期段階から専門家が入るほど時間や手間が大幅に短縮されます。

まとめ|用途地域は「許可の入口」。最初の確認が最重要

用途地域は、

風俗営業許可が取れるかどうかを左右する最初の関門です。

 

✔商業地域は許可が取りやすい(制限距離緩和)

✔住居系は原則営業不可

✔距離制限の確認も必須

✔店内の見通しを妨げる設備

✔物件契約前の調査が最重要

✔行政書士のチェックでリスクを減らせる

 

風営法の許可は、立地を誤ると全てが無駄になるため、

まずは用途地域と保全施設の距離制限の確認から始めてください。